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週刊青年ワタクシ

自分へのメモと思った事、レポライターごっこをするためのもの。

犬の餌を食べたら火事になった話

少し、昔の話をします。と言っても、2年もしないくらいですが。

僕の楽しみの中に、食べることがある。
殆どの人がそうなんだろうけど、僕は人一倍食べることが好きだ。

それに加え、好き嫌い無く何でも美味しく食べることができた。ピーマンや人参は好物で、甘いのも辛いのも大好き。
納豆やくさやは匂いすら愛おしいくらい。

ゲテモノまでいかなくとも、クセが強ければ強いほど好む性質があった僕は本来現代日本人が食べないであろう物を食べたがっていたのだ。

シュールストレミング(バラエティー番組で出る臭い缶詰)はもちろんのこと、ホンオフェ(エイの醗酵刺身)やキビヤック(アザラシの腹に入れて醗酵させた海鳥)など日本じゃまず食べれない物まで僕の舌は求めていた。

そんなある日、ふと『動物のエサって食べたら案外美味しいのではないか?』と思い始めた。

流石にカリカリにチャレンジする勇気は出ず、手軽(?)な犬用おやつから食べてみることにした。
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これね

感想としては、美味しかった。僕が元々、超薄味派というのが大きいのかもしれないが、人間が食べても違和感のない味だった。(今でも食べてる)
一月か二月、冬の季節の話だった。

僕は新たなおやつの開拓成功に満足し、不思議なくらい充実した気持ちで夜眠りについた。

日付が変わった夜中、壁の向こうから聞こえる物音で僕は目が覚めた。
当時マンションに住んでいたのだが、両隣の部屋はご老人が住んでいるだけで、夜暴れるような事はない。

物音が聞こえる部屋には身寄りのないおじいちゃんが住んでいるだけだ。しかも、僕の住むマンションは不審者がロビーにたむろしたり、自転車が盗まれたり何かと物騒だった。

一瞬で嫌な考えが頭の中に広がった。もしかしたら、もしかしなくてもこの音は明らかにおかしい。何者かが老人に暴行を加えているのではないか?と。

心配する母に『様子を見てくる』と言い、竹刀を片手に恐る恐る扉を開けた。

老人の住む部屋の扉は閉ざされ、ガラスを割って入ったような形跡もなかった。
そのかわりに、オレンジ色の炎が窓を覆い尽くし、黒い煙が隙間から漏れ出していた。

初めての火事だ。焦った僕は『火事!火事!火事!』ととにかく叫んだ。
それに焦った母は携帯電話を片手に携帯電話を探していた。

僕は携帯電を手に取り、靴に足を突っ込んでマンション中走って叫んだ。異常事態に気付いた住民が次々と出てくる。
パトカーや 消防車も集まり、僕の住むマンションはてんやわんや。地元の夏祭り以上ににぎわっていた。

冬の寒空の下寝巻き姿(半袖短パン)で震えている僕の元に、テレビのリモコンを手に掛け布団にくるまった母親がやってきた。いくらなんでもテンパりすぎだろう。

その後パトカーに入れてもらい、母子火事を目の前にして凍え死ぬという事態は回避する事ができた。

火元の部屋は煤で真っ黒で、ひどい有様だった。住んでいた老人は死んでしまい、後日、焼けて死んだのではなく酸欠により意識を失い、そのまま死んでしまったと教えられた。

火事の原因はよくわかっておらず、結局今も分かっていない。

マンション全室についていた火災報知器は、煙を感知するとその部屋のみで鳴るというお粗末なもので、役割を果たしていなかった。

その他の部屋はほぼ被害がなく、挙げるとするなら煤で部屋の中が汚れてしまったことと、真隣の僕の部屋の下水パイプも溶けてしまい、しばらく銭湯通いする羽目になったくらい。


そしてその数年後、当時住んでいたマンションを出て新しい場所へと引っ越したのだが、その際何となく訳あり物件について調べてみたら、当時住んでいたマンションが曰く付きと紹介されていた。